The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars/ジギー・スターダスト(1972.6.6発表)

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Saviour

ロック史に永遠に名を残すであろうコンセプト・アルバム、ロック叙事詩「ジギー・スターダスト」が完成したのは1972年のことです。

デヴィッド・ボウイは長い下積み時代を経て、ソングライターとしての最初の最盛期を迎えていました。

「ハンキー・ドリー」の楽曲と同時期に用意された楽曲の数々はデヴィッド・ボウイのそれまでのキャリアを集約するように、パントマイム、演劇、歌舞伎、SF、宗教観といった全ての要素を取り混ぜたアルバムに結実しようとしていました。

「ハンキー・ドリー」で得たサウンドはスパイダース・フロム・マースという名前を与えられ、よりショッキングなビジュアルを持ったバック・バンドに姿を変えます。

そしてデヴィッド・ボウイは「ジギー・スターダスト」としてロック界に降臨したのでした。

目次

収録曲とサウンド

The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars

Side-A

  1. Five Years
  2. Soul Love
  3. Moonage Daydream
  4. Starman
  5. It Ain’t Easy

Side-B

  1. Lady Stardust
  2. Star
  3. Hang On To Yourself
  4. Ziggy Stardust
  5. Suffragette City
  6. Rock ‘N’ Roll Suicide

「ジギー・スターダスト」の構想は「ハンキー・ドリー」が発表される前、1971年2月にはスタートしていたといわれています。

「ハンキー・ドリー」のページでも記したように「ジギー・スターダスト」に収録されている「It Ain’t Easy」は「ハンキー・ドリー」のプロモ盤「BOWPROMO」に既に収録されていました。

このように「ハンキー・ドリー」と地続きの作品だけあって、サウンドはどちらかというとアコースティックだと言えます。

その中にあってミック・ロンソンのギターパフォーマンスが最高潮に達し、ジギースターダストの叙情的でありながらロックなサウンドを作り上げています。

また、バイオリンの効果が際あったサウンドは叙情的な印象をより強めています。

……

デヴィッド・ボウイは「ハンキー・ドリー」を完成させるとすぐにトライデント・スタジオに入り、「ジギー・スターダスト」のセッションを開始します。1971年11月のことでした。

このセッションではアルバム収録曲以外にも数々の名曲がアウトテイクとなっています。

例えば…

  • Shadow Man
  • Velvet Goldmine
  • Holy Holy
  • Amsterdam
  • Round And Round
  • Sweet Head
  • The Superman

などです。

いずれも外すには惜しい名曲ばかりです。
これほどの数のアウトテイクがあればもう一枚素晴らしいアルバムを作ることができたのではないでしょうか。

これらの曲はアーノルド・コーンズ名義の楽曲と共に、30周年記念盤におさめられています。

この時期のデヴィッド・ボウイがソングライターとして、いかに充実した時期だったかを物語っています。

ジギー・スターダストの封印

デヴィッド・ボウイの名を世界に知らしめることになった「ジギー・スターダスト」ですが、約一年で終幕を迎えることになります。

ボウイは1973年7月3日ロンドンのハマースミス・オデオン公演の最終日、ジギー引退宣言を行い、ジギー・スターダストを葬ってしまいました。

ジギー引退宣言はデヴィッド・ボウイが並みのアーティストではないことを示すことになるのです。この時から、デヴィッド・ボウイの伝説がはじまった言えるのではないでしょうか。

デヴィッド・ボウイの「変化」という音楽スタイルは、この時印象づけられることになったのでした。

この模様はD.A.ペニーベイカー監督のドキュメント映画「Ziggy Stardust And The Spiders From Mars: The Motion Picture」におさめられています。

また、後に「Ziggy Stardust And The Spiders From Mars: The Motion Picture Soundtrack」としてライブ盤が発売されたのでした。

© backstar.blue

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