Station To Station/ステイション・トゥ・ステイション(1976.1.23発表)

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1974年のダイヤモンド・ドッグズ・ツアー、「ヤング・アメリカンズ」のレコーディング、フィリー・ドッグズ・ツアーと多忙を極めたデヴィッド・ボウイは重度のコカイン中毒に侵されていきます。

その様子は「デヴィッド・ボウイ・ライブ」のかすれた声や痩せこけたジャケット写真を見れば、うかがえしれます。

1975年6月、デヴィッド・ボウイはニコラス・ローグ監督の映画「地球に落ちてきた男」の撮影に入り8月に終了。

10月には、ハリウッドのチェロキー・スタジオで「Station To Station」の制作を開始しています。

この間、デヴィッド・ボウイは記憶が曖昧で、アルバムを作ったことすら覚えていない状態でした。

そして、1976年1月、デヴィッド・ボウイの最高傑作と名高いアルバム「Station To Station」がリリースされることになるのです。

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収録曲とサウンド

Station To Station

Side-A

  1. Station To Station
  2. Golden Years
  3. Word On A Wing

Side-B

  1. TVC 15
  2. Stay
  3. Wild Is The Wind

「Station To Station」には6曲しか収録されていませんが、全く捨て曲がありません。

薬物に侵されながらも、奇跡的にボウイのボーカルは最高レベルに達しています。

サウンドは、フィリー・ソウルにドップリつかった「ヤング・アメリカンズ」をボウイが消化し、ヨーロッパ的なテクノの影響を受けながら、透明感のあるファンクに移行しています。

この絶妙なブラック+ホワイトサウンドがこのアルバムの特徴となっています。

参加ミュージシャンは

  • カルロス・アロマー(g)
  • ロイ・ビタン(p/k)
  • デニス・デイヴィス(ds/perc)
  • ステイシー・ヘイドン(g)
  • トニー・ケイ(k)
  • ジョージ・マレイ(b)
  • ウォーレン・ピース(cho)
  • アール・スリック(g)

カルロス・アロマー、ジョージ・マレイ、デニス・デイヴィスらのリズム体がしっかりとサウンドを支えています。

プロデュースには「ヤング・アメリカンズ」の「Across The Universe」と「Fame」に続いてハリー・マスリンが参加しています。

デヴィッド・ボウイのルーツはR&Bグループ「ザ・キング・ビーズ」や「ザ・マニッシュ・ボーイズ」にあったことは明かです。
ボウイはグラムロック、ソウルを経て、ついに最高のサウンドにたどり着いたのでした。

最後のペルソナ、シン・ホワイト・デューク

アルバム「Station To Station」の仮タイトルは「The Return Of The Thin White Duke(痩せこけた白人公爵の帰還)」です。

タイトル曲「Station To Station」のオープニングも

The return of the thin white duke.
Throwing darts in loverrs’ eyes.

と続きます。

デヴィッド・ボウイはそれまで、

  1. ジギー・スターダスト
  2. アラジン・セイン
  3. ハロウィン・ジャック

と3つのペルソナをステージで演じてきました。

そして、この「シン・ホワイト・デューク」が最後のペルソナとなったのでした。

薬物中毒の自らの肉体を逆手に取り、アルバムやプロモーションに利用してしまうところが、ボウイの非凡さを表しています。

オカルトと信仰

この頃のボウイはオカルトにはまり、魔術師アレイスター・クロウリーのことも作詞に活かしていました。(「Station To Station」のオープニング)

しかし、「Word On A Wing」は信仰の宣言を行っています。
ボウイは後にこの曲を賛美歌として作ったことを告白しています。

ひょっとしたらアルバム「Station To Station」は、薬物に侵されたボウイが、神あるいは悪魔の啓示によって作らされたものなのかもしれません。

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