The Man Who Sold The World/世界を売った男(1970.11.4発表)

metal rock

アルバム「Space Oddity」はタイトル曲は成功したものの、アルバムとしては失敗作に終わってしまいます。

散漫な曲作りとフォーキーなサウンド、クラシカルなコンセプトは路線の変更を余儀なくされました。

ボウイは自身のパーマンスにまだ、自信がわかずステージでは架空のキャラクターを演じるようになります。それが以後のグラムロックを先駆けることになったのです。
その記念すべきパフォーマンスが新バンド「ハイプ」による1970年2月のラウンドハウスでのショウでした。

バンドのメンバーは以下のようになっています。

  • デヴィッド・ボウイ(レインボーマン)
  • ミック・ロンソン(ギャングスターマン):ギター
  • トニー・ヴィスコンティ(ハイパーマン):ベース
  • ジョン・ケンブリッジ(カウボーイマン):ドラマー

※()内が演じたキャラクター

……

アルバム「Space Oddity」のリリースから「The Man Who Sold The World」のリリースの間にデヴィッド・ボウイの周りでは重要な変化が生じています。

アンジー(メアリー・アンジェラ・バーネット)との結婚と新しいマネージャー:トニー・デフリーズとの契約です。

バンド「ハイプ」の衣装にはアンジーの進言があったようです。アンジーはグラムロックの誕生に大きく貢献したと言えるかもしれません。

トニー・デフリーズは契約内容から、「スケアリー・モンスターズ」発表まで、ボウイを金銭的に苦しめることになりました。

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4つのアルバムジャケット

アルバム「The Man Who Sold The World」は複数のアルバムジャケットでリリースされ、ボウイマニアには垂涎の的になっています。

  • カトゥーン盤:アメリカ盤、背景に兄の入院している病院を書き込んでしまった。
  • ドレスカバー盤:上記の病院のイラストを後悔して変更。
  • モノクロ(キック)盤:ドレスカバー盤が物議を醸したため変更
  • ラウンド盤:開くと円形のイラスト仕様になる西ドイツの貴重盤、2016年のレコード・ストア・デイにラウンドイラストが復刻されました。

サウンド

アルバム「Space Oddity」の方向性はデヴィッド・ボウイ、トニー・ヴィスコンティともに転換の必要性を認識していました。

そして、バンドの必要性から「ハイプ」を誕生させ、明らかにロック指向へとサウンドを変えていったのです。
そのサウンドにはミック・ロンソンが大きな貢献を果たしています。

アルバム「世界を売った男」はデヴィッド・ボウイの全アルバムを通しても、ハード・ロック指向が際立ったものですし、メタルサウンドの前身とも言うべきものになりました。

アルバム制作時にはベースのトレヴァー・ボールダー、ドラムスのミック・ウッドマンジーらも参加し、後のスパイダース・フロム・マースの原型が出来上がっています。

収録曲

The Man Who Sold The World

Side-A

  1. The Width Of A Circle
  2. All The Madmen
  3. Black Country Rock
  4. After All

Side-B

  1. Running Gun Blues
  2. Saviour Machine
  3. She Shook Me Cold
  4. The Man Who Sold The World
  5. The Supermen

アルバムの制作は困難を極め、トニー・ヴィスコンティーとミック・ロンソンの参加がこのアルバムの制作を可能にしたと言われているほどです。

デヴィッド・ボウイはアンジーとの結婚とドラッグの乱用によってアルバムを制作する状態にはなかったようです。

しかし、詩作の面では当時の書物からの影響からか、SFや哲学的なアプローチがなされ、ボウイの原点ともいうべき内容に仕上がっています。

「The Man Who Sold The World」はロバート・A・ハインライン「月を売った男」(月を征服しようとした男のストーリー)から影響をうけていますし、「The Superman」はニーチェの「善悪の彼岸」から発想されたと言われています。

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