David Bowie/デヴィッド・ボウイ(1967.6.2発表:DERAM)

本ページはプロモーションが含まれています
David Bowie



1967年6月、デヴィッド・ボウイはデラム・レコードからファーストアルバムのリリースにこぎ着けます。

1964年6月(デヴィッド・ボウイ:17歳)R&Bバンドのデイヴィー・ジョーンズ&キング・ビーズのシングル「Liza Jane」でデビューしてから3年が経過していました。

この3年の間、リリースしたシングルをまとめると以下のようになります。

  1. デイヴィー・ジョーンズ&キング・ビーズ
    1964.6:Liza Jane/Louie, Louie Go Home(ヴォーカリオン)
  2. マニッシュ・ボーイズ
    1965.3:I Pity the Fool/Take My Tip(パーロフォン)
  3. デイヴィー・ジョーンズ
    1965.8:You’ve Got a Habit of Leaving/Baby Loves That Way(パーロフォン)(1965.9.16:デイヴィー・ジョーンズからデヴィッド・ボウイへ改名)
  4. デヴィッド・ボウイ・ウィズ・ザ・ロウアー・サード
    1966.1:Can’t Help Thinking About Me/And I Say to Myself(パイ)
  5. デヴィッド・ボウイ・ウィズ・ザ・バズ
    1966.4:Do Anything You Say/Good Morning Girl(パイ)
  6. デヴィッド・ボウイ
    1966.8:I Dig Everything/I’m Not Losing Sleep(パイ)
  7. デヴィッド・ボウイ
    1966.12:Rubber Band/The London Boys(デラム)

1.〜6.までのシングルはコンピレーション・アルバム「Early On (1964-1966)」で聴くことが出来ます。

目次

サウンド

「Early On (1964-1966)」を聴いた後に、アルバム「David Bowie」を聴いてみると時代を逆行したかのような錯覚を覚えます。

この「David Bowie」が発表された年、時代背景を知るためによく使われるのがビートルズのアルバム「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」の発表です。

同年発表された「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」でもトランペットやバスなどの楽器が使われ特徴をなしています。

ところが、ビートルズサウンドは「David Bowie」より「Early On (1964-1966)」に近いと感じます。

デヴィッド・ボウイはアルバム「David Bowie」で、はやりのサウンドにおもねることなく、独自の路線を行こうとしたのでしょう。

「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」と同じようにトランペットやバスを使ったものの結果は演劇や児童音楽に近い雰囲気を持ったアルバムに仕上がってしまいました。

収録曲

まるでワルツやミュージカルのようなストーリー性を持った楽曲がならび、随所にナレーションや笑い声、くしゃみまでもが被さっています。
かみなりや雨などの効果音もこのアルバムならではのものです。

David Bowie(DERAM)

Side-A

  1. Uncle Arthur
  2. Sell Me A Coat
  3. Rubber Band
  4. Love You Till Tuesday
  5. There Is A Happy Land
  6. We Are Hungry Men
  7. When I Live My Dream

Side-B

  1. Little Bombardier
  2. Silly Boy Blue
  3. Come And Buy My Toys
  4. Join The Gang
  5. She’s Got Medals
  6. Maid Of Bond Street
  7. Please Mr. Gravedigger

全体としては、まるで、NHKの歌のおにーさんの曲を集めたようなアルバムに苦笑してしまいます。
しかし、このアルバムで追求した独自性とストーリー性はボウイのアイデンティティであることに間違いはありません。

「There Is A Happy Land」「Silly Boy Blue」のように素晴らしい楽曲も配置され、後のボウイの音楽性をのぞかせています。

2010年、このアルバムのデラックス・エディションが発売され、再評価の動きが強まっています。

Decca
¥4,980 (2024/09/15 15:09時点 | Amazon調べ)

© lin


参考文献

  • 『地球音楽ライブラリー デヴィッド・ボウイ』TOKYO FM 出版 、2004年。ISBN4-88745-098-2。
  • デヴィッド・バックレー『全曲解説シリーズ デヴィッド・ボウイ』前むつみ・森幸子(翻訳)、株式会社シンコーミュージック・エンターテイメント、2006年。ISBN4-401-63026-2。
  • 『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ』株式会社シンコーミュージック・エンターテイメント、2013年。ISBN978-4-401-63809-3。
  • 『KAWADE夢ムック 文藝別冊 総特集デヴィッド・ボウイ』株式会社河出書房新社、2013年。ISBN978-4-309-97795-9。
  • パオロ・ヒューイット『デヴィッド・ボウイ コンプリート・ワークス』太田黒奉之(翻訳)、TOブックス、2013年。ISBN978-4-86472-202-4。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

スポンサーリンク

コメント

コメントする

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次